読めなくなってしまった本たち
読めなくなってしまう本が、後をたちません。
あるページは切り抜かれ、あるページは破り取られ、半分に引き裂かれ、水に濡れて全体が波打ち、カビだらけになり、カッターで切り取られ、メモ代わりに書き込まれ、食べこぼしでベトベトになり、カバーと中味をすり替えられ・・・
もう絶版になって、買うことのできない本。まだ出版されたばかりで、本屋さんに行けば買えるはずの本。
たくさんの本が読めなくなっています。
毎日、職員が修理をしていますが、修理ができないものは、やむを得ず廃棄をしています。もう少し配慮をしていただければ、たくさんの方に読んでいただけたはずなのです。
図書館にあるはずなのに、どう探しても見当たらない資料もあります。CDの歌詞カードやジャケットの一部がなくなることがあります。図書館からなくなってしまった「それら」は、いったいどこに行ってしまったのでしょう。
このような、破損した本や視聴覚資料の状態を見て不快に思う利用者の方もいらっしゃると思います。
あえて表に出さなくてもいいのではないか、このような利用をされないように職員がもっとしっかり管理すればよいのではないか、とのご意見もいただきました。
それでもあえて、私たち図書館員は、この現状を利用者の皆様に見ていただくためにこの「破損本特集」を企画いたしました。
高崎市立図書館
~破損図書の実例~
ペットの噛みつき
切り抜き
必要な部分を切り取っているのでしょう。コピーをしていただければいいのですが。
このような破損は、次にこの本を借りた方が気づくことが多く、非常に申し訳なく思います。
左側はカッターのようなもので切り取り、右側は破り取られています。
数ページ、数十ページにわたって抜き取られる本も多くあります。
左側の猫の飼い方の本は25ページ、右側の本の旅行ガイドは前半176ページが抜き取られています。
鍋敷き
びっくりなさるかもしれませんが、毎年「鍋敷きにされた本」が数冊発見されます。
熱でビニールコーティングが溶け、全体がゆがんでいます。
料理本が多いところなど、なんとなくわかるような気もするのですが。
書き込み
鉛筆での書き込みは、職員が消しゴムで消すのですが、マーカーでのライン引き、ボールペンでの書き込みが多く、資料を廃棄せざるを得ません。
なかには、メモ代わりに使われる本などもあります。
相性診断、性格診断の本です。びっしり計算してあります。
小山駅で乗り換えのようです。ちなみに歴史小説です。この本には、ほかのページにも電車の時間が書き込まれていました。
水濡れ
雨に濡れたのでしょうか。濡れた本はページがくっつき、全体が波打ち、カビだらけになることもあります。
中味の入れ替え
少しわかりにくいですが、本の中味とカバーが違います。
本を無断で持ち帰った利用者が、本の中味だけ入れ替えて元の棚に戻しておいたようです。
中味は法律系の本の第2版増補版、カバーは同じ本の第3版(内容が最新版の本)です。
もう聴けないCD
夏の車内に長時間保管すると、こうなる場合があります。 また、踏まれたり手荒な扱いで割れるCD・DVDもあります。